法定相続情報証明制度とは

法定相続情報証明制度(ほうていそうぞくじょうほうしょうめいせいど)とは、簡単に言うと、戸籍を簡素化した証明書を発行できる制度のことです。

 

これまでは相続手続をする際、その相続関係を証明する戸籍謄本一式を窓口に提出しなければいけなかったため、面倒な部分が多々ありましたが、法務局はこの手間を解消するために、相続関係を証明する戸籍謄本を提出すれば戸籍情報を記載した証明書を無料で発行することにし、この証明書を金融機関などに提出することで、わざわざ新たに戸籍謄本を取得する必要がないよう取り決めました。

所有者が判明しない不動産の所在を明らかにする

現在、不動産登記記録の記載によってもその所有者が判明しない不動産が増加しており、空き家の放置だったり、農地集約化の妨げ、または公共事業用地の取得に長い時間を要したりと、様々な問題が生じています。

 

その理由として、相続登記を申請する際には、誰が相続をするのかを確定するための戸籍謄本などを提出する必要があるのですが、その数がとても多かったり、取り揃えるのに多くの時間がかかってしまうことなどから、相続登記を申請する人が減少していることが考えられます。

相続登記の手続きを簡略化する目的

戸籍謄本一式を法務局に提出した際に法定相続情報証明書を必要枚数発行してもらい、手間を省くことによって、よりスムーズな手続きが可能になります。

 

この法定相続情報証明制度を創設することにより、わざわざそれぞれの窓口に戸籍謄本などを申請する必要がなくなったことで、その申請が楽になり、相続登記の促進に繋がるということが、創設の大きな理由です。

法定相続情報証明制度では何ができる?

法定相続情報証明制度が導入されたことによって、

  1. 金融機関での預貯金の払い戻し、
  2. 法務局での不動産相続登記の手続きにおいて、戸籍謄本を何度も提出する

この2つの手間がなくなりました。


手続きの複雑さや手間の多さにより、これまでは相続登記をされていない不動産が多く見受けられました。しかし、この法定相続情報証明制度が新設されたことによってその手続きが簡素化され、相続登記の促進に繋がることが考えられます。

手続きは1回で済むようになったが戸除籍謄本を取得する手間は残る

相続登記やその他の相続手続きで、戸除籍謄本などをそのつど持って行く手間はなくなったものの、最初に相続人全員の戸除籍謄本等を集めなくてはいけない手間は変わりません。

 

なので、2回目以降に必要な手間が多少軽減された程度に考えておくのが良さそうです。

法定相続情報証明制度の発行手続きについて

必要書類を集める

手続きにあたり、まずは必要書類を集めていきましょう。

 

被相続人の戸籍謄本

→出生から死亡時までの連続した戸籍謄本及び除籍謄本

 

被相続人の住民票の除票

→被相続人の最後に住んでいた場所がわかる書面

 

相続人の戸籍謄抄本

→相続人全員の戸籍謄抄本を用意

 

相続人の代表となって手続きを進める方(申出人)の公的書類

→運転免許証のコピー

マイナンバーカードの表面のコピー

住民票の写し

上記書類のうち、いずれか1つを用意してください。

法定相続情報一覧図を作成する

被相続人の戸籍の記載からわかる相続人の関係図を一覧にした図を作成します。


































    引用元:法務局

申出書を記入し登記所へ提出する

申出書を記入し、上に挙げた必要書類を用意して、登記所に提出します。申出書の記入についてはこちらを参考に、作成してください。

参考:法務局

法定相続情報証明制度のメリット

まず一番に挙げられることは、不動産を相続する際の名義変更がとても容易になったということです。

 

従来であれば、不動産の名義変更の際に提出した戸籍謄本は手続きが完了するまで返却されなかったため、銀行など他の機関への提出ができず、同時進行が難しいという問題点がありました。

 

この法定相続情報証明制度を利用し、証明書を発行することにより、相続登記の手続がスムーズに行えるようになりました。

また、代襲相続などでは必要な戸籍謄本の数が多くなり、それに多くの時間や費用を要することがありました。

 

この法定相続情報証明制度を利用することにより、一度法務局に申出をすればその後は何度でも無料で証明書を発行してもらえるので、最初に一度だけ戸籍を提出すればいいということになります。その分、費用も時間もかかることがなくなります。

相続税額の早見表

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・税務申告書への書面添付
・自計化システムの導入支援
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・資産譲渡・贈与・相続の事前対策と納税申告書の作成
・事業承継対策
・税務調査の立会い
・保険指導
・経営相談等

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